2025-05-03
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潜在看護師による人材確保の取り組みに注目

新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ、医療従事者の人材不足が全国で深刻化しています。
なかでも、看護師の不足は最も深刻といえるでしょう。
そこで、さまざまな医療機関が人材確保のために動き出しています。

医療現場における人手不足は、日本だけの問題ではありません。
アメリカ・イリノイ州のある病院は看護師の人手不足解消のため、配達ロボットを導入。病院内の他のエリアから必要な備品、薬などを運んでいます。
24時間体制で配達を行ってくれるので、スタッフの時間と労力がかなり節約できているとのことです。

日本では、人材確保のために潜在看護師を積極的に採用している病院があります。
潜在看護師とは、看護師の資格を持っていても結婚や子育て、介護や夫の転勤などさまざまな理由で看護師として働いていない人たちのことです。
日本には潜在看護師が70万〜71万人ほどいるといわれています。
潜在看護師の復職支援を行うことで、慢性的な人手不足を解消し、優秀な人材を確保できる突破口になると考えられているのです。
ただし、潜在看護師が職場復帰するには、サポート体制を整える必要があります。
具体的には、小さいお子さんのいる方も働けるように院内託児所を設置したり、短時間勤務を導入したり、ブランク期間のある人のために研修を行うなどの取り組みが求められます。

人材確保には、現職の看護師が離職しないよう職場の労働環境や待遇の改善を行うことも含まれるでしょう。
長時間、不規則な勤務時間は看護師の体と心にとって、また家庭にも大きな負担となりかねません。
現場の看護師が働きやすい環境を整備することは、安全な医療を提供することにもつながります。
これからの日本の医療には、潜在看護師の復職支援や医療従事者の離職防止などの策が課題となってくるでしょう。